馥郁たるロマンと巧緻なトリックを兼ね備えたゴシック・ミステリによって熱烈な支持を受けながら、二〇〇七年に永眠した作家・服部まゆみ――。その伝説の作家が遺した短編作品の全てを収録した、決定版・短編全集、ついに刊行!怪奇趣味の祖父をめぐる傑作ミステリ「「怪奇クラブの殺人」」、美と醜の二つの顔を持つ雛人形にまつわる怪異譚「雛」、切ない恋心が疑いと悲劇に変わる「葡萄酒の色」ほか、これまでほとんど読むことができなかった単行本未収録作はもちろん、追悼文集にのみ掲載された貴重な作品を含む、物語の歓びに満ちた十七編。密室、アナグラム、幻想と怪異、秘密と享楽……、絢爛豪華な服部まゆみの物語世界に酔い痴れる!◎装画=服部まゆみ【目次】I猫の手恋する心時のかたち髭Happy birthday to meソネット葡萄酒の色「怪奇クラブの殺人」II桜 III骨末摘花雛髑髏指南松竹梅最後の楽園石段無題