児玉果亭（こだま かてい、1841年2月20日〈天保12年1月29日〉 - 1913年1月14日〈大正2年〉）は、明治時代の文人画家です。
本名は道広、字（あざな）は士毅、幼名は丑松。
画号として果亭、果道人、澹々斎、竹遷山房などを用い、晩年には果老生、果翁とも称しました。

生涯と業績 信濃国渋温泉（現在の長野県山ノ内町）に生まれ、幼少期から神童と称されるほどの才能を示しました。
8歳の頃、その書を見た佐久間象山から将来を嘱望されたと伝えられています。

15歳で飯山藩の儒者・小野沢蕙斎に入門し経学を学び、同時期に南画家の佐久間雲窓に師事して画技を研鑽しました。
その後、興隆寺の住職・畔上楳仙から漢学、経学、禅の指導を受け、文人としての素養を深めました。

1866年（慶応2年）、渋村の大火で家を失いましたが、楳仙の紹介で各地を遊歴し、1876年（明治9年）には京都で田能村直入に入門し南画を学びました。
翌年帰郷し、渋温泉に画室「竹仙山房」を構え、画業に専念しました。

明治天皇の天覧に供された作品や、内国絵画共進会、東洋絵画共進会での受賞などにより、全国的な評価を得ました。
また、菊池契月、小坂芝田、山本凌亭、青柳琴僊など多くの門人を育成し、明治南画壇の重鎮として活躍しました。

主な作品 「葡萄に栗鼠図」（1886年） 「宜煙宜雨図」（1891年） 「芭蕉之図」（1901年） 「維摩居士」
これらの作品は、宮内省や成田山新勝寺などに所蔵されています。

晩年と死去 1913年（大正2年）1月14日、神奈川県小田原で胆石症のため72歳で逝去しました。
墓所は渋温泉の温泉寺にあります。

児玉果亭は、信州を拠点に南画の発展に寄与し、多くの後進を育てた画家として知られています。



表具寸法（軸先含む）★約51×205
本紙寸法★約33×136


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