
RAINBOW / レインボー
LONG LIVE ROCK 'N' ROLL Rough Mix
Directly copied from the original 7" spool AMPEX 800 Series 7 1/2 IPS magnetic recording tape
Hand written date "4th July 1977" written on the a Kingsway Records tape box.
プレス2CD!
リリースのたびにファンへ大きな衝撃を与えてきた"コージー・テープス"シリーズ。彼が残した音源の数々は、JEFF BECK GROUP時代からRAINBOW、そしてWHITESNAKEにBLACK SABBATHと、イギリスにおける名門ロック・バンド史の検証を、(一歩ではなく)二歩も三歩も前進させました。この中でも特にセンセーショナルだった のは、やはりRAINBOW関連の音源でしょう。ライヴ音源や映像に限っても、1976年12月の初来日公演より最終公演の武道館・夜の部を収めた 「WHEN EVENING FALLS」や、グラハム・ボネット時代の"モンスターズ・オブ・ロック"での最上級プロショット映像のように、ファンの記憶へ鮮烈な印象を残した傑作ア イテムが挙げられます。これらはいずれもコレクターズ・アイテム史に残る一本。しかし何と言っても、スタジオにおけるアルバムの製作過程を収めた"ROUGH MIX"を忘れてはいけません。ビギナーはもちろんベテランのマニアも、およそコレクターズ・アイテムに関心がある方なら、これらの音源をコレクションし ない訳にはいかないでしょう。本作「LONG LIVE ROCK 'N' ROLL ROUGH MIX」は、タイトルどおり1977年における「LONG LIVE ROCK 'N' ROLL」(バビロンの城門)における製作過程を、楽曲のラフ・ミックスから楽しめる一本です。コージーが所有していたとされるマスターより、"4th July 1977"と手書きされたリール・テープ(ボックスの写真を内ジャケに掲載)をダイレクト使用。完成版とは異なるミックス(一部はテイクも異なると思われ ます)、生々しい質感、完成版とも違う曲順で収められた曲の数々は、アルバムを聴き込んだファンほど「知っているけれど、未体験」の驚きが連発するでしょ う!1976年12月の日本公演を終えたバンドは、約1ヶ月のオフを経て、'77年1月から新作アルバムのリハーサルをスタートします。2月にはジミー・ベ インが解雇され、新ベーシストとして元TEMPESTのマーク・クラークが加入。ロサンゼルスの"パイレーツ・サウンド・スタジオ"でリハーサルが行われ ます。アルバムのレコーディングはいつもの"ミュージック・ランド・スタジオ"で行おうとしたものの、同スタジオは予約で塞がっていたため、バンドはそのまま フランスに移動。3月からパリ近郊にあるエルヴィユ城に併設されていた"ストロベリー・スタジオ"においてレコーディングを開始します。しかしながら、 リッチーはマークのフィンガー・ピック・ベースに馴染めず、結局マークも5月には解雇。適任者を見つけられないまま、止む無くリッチーがベースもプレイし て「LONG LIVE ROCK 'N' ROLL」となるアルバムの体裁を整えた事が知られています。リールのボックスに書かれた'77年7月は、リッチーのコメントによれば「"Gates Of Babylon"と"Rainbow Eyes"を除いて、レコーディングは旧メンバー(リッチー、ロニー、コージー、トニー)により終了していた」という時期に当たります。本来ならばこの時 期にアルバムを完成させたかったはずですが、作業の遅れから、バンドは当初予定していたツアー日程のキャンセルを余儀なくされました。その後8月にボブ・ディズリーとデヴィッド・ストーンが加入し、9月後半からヨーロッパツアーが始まりますが、そのツアーはライヴ・アルバム「ON STAGE」のプロモーションという体裁をとり、「LONG LIVE ROCK 'N' ROLL」の完成は'77年暮れにまでずれ込む事になったのです。すなわち本盤に収録されている「LONG LIVE ROCK 'N' ROLL」は、正式ベーシスト不在の時期(アルバム完成の半年前)のテイク。直近のコレクター誌に掲載されたボブ・ディズリーの最新インタビューによれ ば、彼がアルバムでベースをプレイしたのは「Kill The King」,「Gates Of Babylon」,「Sensitive To Light」の3曲との事(かつては「Sensitive To Light」では無く「The Shed」だと思われていましたが、ボブは今回「Sensitive To Light」だと明言しました)。本アルバムにおいてリッチーは「Long Live Rock 'n' Roll」,「Lady Of The Lake」,「L.A. Connection」そして「Sensitive To Light」の4曲を弾いたのではと言われます(ボブも「Sensitive To Light」はリッチーが自分のプレイを残したかも知れない」と言っています)。ボブ不在のテイクならば、ここで聴ける「Kill The King」そしてプレイヤーがはっきりしない「The Shed」も、リッチー(または前任のマーク・クラーク)のプレイなのかも知れません。実際に聴く前から、このように色々な想像を掻き立てられてしまいま す!それではリールを再生してみましょう。冒頭の「Lady Of The Lake」ではいきなり、完成版で聴けない15秒のキーボード・イントロ(メロトロンによるオーケストレーション)が飛び出します! これに驚かない聴き 手がいるでしょうか? ここは「RISING ROUGH MIX」の「Stargazer」にも通じるサプライズです。「Sensitive To Light」はほぼ完成されているようですが、現行のCD盤と比べた時、シンバルの残響音が2秒ほど長いです。「L.A. Connection」は5分35秒の長編バージョンで収録。3分台(3:10から3:47辺り)では完成版には無いロニーのヴォーカルパートが印象的。 またピアノによるバッキングもありません(完成版のピアノはデヴィッド・ストーンが後から加えたものだと推測されます)。本盤最大の目玉は4曲目の「Kill The King」でしょう。なによりもベースラインが完成版とは全く異なり、楽曲としての印象も大きく異なります。前述したように、完成版での本曲はボブがベー スを弾いていたので、ここでのプレイはリッチーか、またはマーク・クラークと思われます。「The Shed (Subtle)」は本作中でも特にラフな部類。冒頭のスライド・ギターを用いたイントロが無い上に、1:39から2:23のギターソロ部分でも、未だに ソロがダビングされていません。またベースがラウドなのも印象的。ボブはこの曲を弾いていないそうなので、やはりリッチーのプレイなのでしょうか? 「Long Live Rock 'n' Roll」はほとんど完成されていますが、ほんの一瞬フェイドアウトが遅いため、オフィシャルで聴けない最後の"Long Live ~"に続く最後の"Rock 'n' Roll"がラストまで聴けます。ラストの「Rainbow Eyes」は本音源でも大きな目玉の一つ。この段階では本物のストリング、管楽器のオーケストレーションが入って無いません。3分台のギターソロも、美し いフルートソロも被せもない上に、最終版のチャンバー・ミュージックのような音の装飾は施されていないなど、「The Shed (Subtle)」以上にラフな状態です。中盤以降もギターのアルペジオとメロトロンによるフルートのみがバックを務めていて、全体的に非常にシンプルなのですが、その分曲の良さ、ロニーの素晴 らしいヴォーカルを満喫できるテイクでもあります(また、完成版で遅かったピッチも、ここでは正常な状態で収録されています)。名曲「Gates Of Babylon」は残念ながら未収録(この時点では完成していなかったのでしょうか?)ですが、楽音は全編を通じてナチュラルそのもの。マーティン・バーチが音を加工する前段階の、正しい音色で収録されていることが容易に判ります。ディスク1にはリール・ダイレクトの原音テイクをそのまま収録し、ディスク2にはより聴き易く音質を補正したリマスター・バージョンを収録。それぞれ違った魅力と特性を持つサウンドに仕上がっています。本作は「RISING」や「DOWN TO EARTH」のラフ・ミックスと並び、RAINBOWのコレクターズ・アイテムを語る上において必要欠くべからざる一本です。ファン必携必聴のアイテムを、もし未所有の方はこの機会に、どうぞゲットしてください!
Ritchie Blackmore - Guitar, Bass
Ronnie James Dio - Vocals
Cozy Powell Drums
Tony Carey Keyboards
収録曲
Reel Direct
1-1Lady Of The Lake
1-2Sensitive To Light
1-3L. A. Connection
1-4Kill The King
1-5The Shed (Subtle)
1-6Long Live Rock'N'Roll
1-7Rainbow Eyes
Remaster
2-1Lady Of The Lake
2-2Sensitive To Light
2-3L.A. Connection
2-4Kill The King
2-5The Shed (Subtle)
2-6Long Live Rock'N'Roll
2-7Rainbow Eyes